まだまだ増えないPCR検査

 散々要望されていたPCR検査の数量増加だが、要望の一つであった保険適用でも隠されたボトルネックがあるようだ。
加藤厚生労働大臣は、閣議のあと記者団に対し「保健所との調整プロセスが不要となり、ボトルネックが解消される。また民間では事業の見通しが立つので、検査能力を拡充するところが出てくることを期待したい。われわれも、さまざまな形で支援していきたい」と述べました。NHK
 NHKでは抜けているが発言は「一つのボトルネックが解消される」だった。つまりボトルネックはほかにも用意されているといううことだ。

 一つは検体をとる医療機関を制限していることだ。帰国者・接触者外来は恐らく第二種感染症指定医療機関 (537箇所)で、同様の機能を持つ医療機関を合わせて860箇所に制限している。これもボトルネックだ。
 一般の診療所、病院からは帰国者・接触者センターすなわち保健所を通せとしている。今電話もかからない状態だというからここにもボトルネックがある。
 さらに検査を依頼するのは検査機関と書いてあり、これは今までと同じだ。検査会社であれば能力も高いが、ここにいくら出すかも今と同じくコントロールをする気だろう。
 民間でも拡充することを期待すると書くが、民間で検査をしても良いかは国が決定することなので、期待するなんてのは嘘だ。

 ここまでして検査を減らすのは、なぜ?感染者数を減らして、何をやりたいのか?中国の主席はとんだから、やはりオリンピックをやりたいからと普通の人は思う。

 検査を十分にしないとどの程度感染者がいるのか分からない。今は氷山の一角を見ているだけとの指摘があり、私もそう思う。
 どんな手を打たねばならないかを決定するのに感染の状況把握が必要だ。逆に感染が収まったとして打った手を平常に戻すにもどの程度改善されたか分からないと判断できない。今は闇夜のカラス状態で決定しているのだ。総理が闇雲に場当たり的に決めても、明確な反論が出来ないのは、状況が全く分からないからだ。
 そろそろ重大な2週間が過ぎるが、感染者は後を絶たない。それがクラスター内の追い込みだけなのか、もっと大きな感染を見ているのか、全く分からない。この状況で打った手を引っ込めることなんかできないだろう。さらに言えば、かなりの長期間この状態を続けることになるような気がする。
 早めに収束しないと経済への影響はどんどん増える。もっと悪い想像は、ある時パンデミックに移行するとの悪夢だ。このまま続いたときにそうならない保証はない。

 韓国や諸外国が数多くの試験をやっている水準に早くしないと泥沼に落ちる。

国は検査体制を拡大するため従来よりも検査時間を大幅に短縮できる簡易検査キットの導入などを急いでいます。
 これの時期が報道によって様々だ。最も早いのは4月にもという。それをぜひ実現してほしいものだ。

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