米軍人の理不尽な犯罪捜査は地位協定のためだけではない

 クローズアップ現代では沖縄での理不尽を言うが、注意してみれば多くの欺瞞がある。

 たとえば「沖縄は経済成長から取り残された」と言った。経済成長していなければ未だに基地依存の経済のままだが、現実は基地依存は非常に小さくなった。だから沖縄振興策が基地存続の特効薬ではなくなっているわけだが、本土の人間にはそれを知らせない。
 
 あるいは沖縄の人の意識で、本土の人が沖縄を理解していないとする。この認識がどう変わったのか示されていないが、悪くなった言うわけだ。

 沖縄の本土復帰で基地の縮小を望んだという。望みはしただろうがどこまで期待していたか、もっと複雑な気持ちで本土復帰を決めたのだろうと思う。

 ここまで、沖縄を裏切ってきたのは政府であり、本土の人間とのストーリーだ。そして一方ではどこから手に入れたのかわからない海兵隊の訓練映像を映す。彼らは軍事上必要だと主張するわけだ。

 そして米軍人の犯罪だ。犯罪が発生したときにアメリカの憲兵がきて犯罪者をさらっていく。その通りだ。だが地位協定はそのようになっていない。あるいは、アメリカ兵は夜間の外出が自由のように書くが、地位協定上公務でもない兵隊が自由に日本本土をうろつくことは決められていない。ましてその家族や軍属には全く権利はない。(日本入国の権利はある。だがそれは限定的なもののはずだ。)

 犯罪捜査は日本にも権利がある。それを許さないのはアメリカの軍事力であり、それをさせない日本政府の運用によるものだ。
 だから、改善が運用とするのは間違いではない。だがそれは地位協定の問題を運用でカバーするのではない。ひどい運用を少しだけ元に戻すだけだ。

 沖縄の問題を公正な目で見て報道しているようなふりをするNHKの番組、もっとも悪質だとも言えるかもしれない。

この記事へのコメント

2012年05月15日 15:10
今日、沖縄復帰40周年だそうですが、明治政府は列強の治外法権を40年で撤回させた。平成政府は、その気すらない。ここまで政治が劣化しているわけですね。
2012年05月15日 20:52
ましま さん
明治政府は偉大だったようですね。「維新」はどうでしょうか?
2012年05月16日 07:31
橋下維新ならその前に日清戦争をやって実績を積んでから、などと逃げるでしょう。弁護士あがりの限界です。
2012年05月16日 22:57
ましま さん
そういったことを言うでしょうね。
弁護士上がりと言うよりもっと別の理由だと思います。

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